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【いつか天魔の黒ウサギ11巻感想(2)】《預言》に関する解釈

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 ちょっと感想が長すぎたんで分割。こっちには《預言》に関する解釈しか書いてないです。本編に関する感想の方は全て前のやつに書いてあります。

《以下ネタバレ有り。注意》

・《預言》

 「これは、破滅後も二人で一緒にいられるようにする、魔法――」
 「月光君は《預言》が途切れた、破滅後も生きる」
 「《預言》に従っても破滅はする。でも、いま月光君を助けたら、その《預言》すらない世界になっちゃうって話。神が決めた世界じゃない――自分で選んだ世界に」

 わけが……わからないよ……。最初は「《預言》と作中世界がリンクしているから、《預言》がなくなったら世界が滅びる」という話かと思ったんだけど、「《預言》が途切れた破滅後も生きる」んだよなあ……。それなら、それは破滅と呼ばない……よなあ……。で、《預言》が終わっても世界が続くのなら(ハルカの「預言すらない世界」発言)別に預言がなくなってもいいじゃないか。それの何が困るっていうんだよ……? 「自分で決めた世界」って……それは月光達が望んでいる世界でしょうが。そこに一体全体何に問題があるっていうんだよ?

 ……と、こんな感じでいくら考えてもわからない。本当にわけがわからない。だからいろいろ考えてみた。そして出た結論→「あれ? もしかしてコレ、メタ視点で見ればいいんじゃないの?」

 つまり、『《預言》=「いつか天魔の黒ウサギ」という作品』『世界の破滅=「いつか天魔の黒ウサギ」の完結』という風に見れば、しっくり来るんじゃないか、と、そういうことである。で、そうすると上のよくわからない話にも全て解釈が付けられるようになった。いやー、そう言えば《預言》ってかなりメタ要素が含まれてるんだなあ、とか今更ながらに思ってる。コレが正しいかどうかは別として、私は一体どうして今までこの解釈をしてこなかったんだろうか……。メタネタとか大好きなのに……。

 で、上の解釈が合っていると言う前提で話を進めていくと、要するに「神=作者のメタファー」を作中でぶっ殺してしまったから、「《預言》=いつか天魔の黒ウサギ」という作品が終わってしまう、というそういうお話。「《預言》=いつか天魔の黒ウサギ」がなくなってしまった場合、それでも世界は続いていくけど(別に完結したら世界が破滅するわけではない)、しかしその場合、「いつか天魔の黒ウサギ」という作品は世の中に出なくなってしまう。つまりそれが、「破滅=いつ天の完結」、ということなんじゃなかろうか。

そうやって考えていけば、ハルカが《預言》が消えてしまうのを危険視していた理由もわかる。なにせ「《預言》=いつ天」が消えてしまえば、いつ天は世の中に出なくなってしまうわけだからね。で、さらに「《預言》=いつ天」が消えてしまえば、「作者が物語を書くこともなくなる=作者がキャラを動かす必要はなくなる=自分で決める世界」、という図式が成立するようになるんじゃないかなあ。

 と、こうやって考えていくと、ヒメアの「破滅後も二人で一緒にいられるようにする魔法」というのも、要するに最後の最後に「《預言》=いつ天」に干渉して、「二人は、そうして、永遠に一緒に暮らした」みたいな地の文を入れる魔法じゃないのかな、と思えてくる。そうやって考えると、《幸福》ってべつに世界を滅ぼす魔法じゃなかったんだなあ……。(いやまあその魔法が《幸福》なのかはわからんけど)

 で、さらにこれで、エルデカの主が黒守に言った「あなたにはいったい、どんな存在意義がある?」というのがすごく鋭い発言になってくる。現状、黒守は「預言とか僕らが管理してますよ~。全て僕の手のひらの上なのです~」とか何とか言っている。しかし結局のところ、そんなことを言ってる黒守も鏡先生が動かしているキャラクターにすぎないわけだ。全部は鏡先生の手のひらの上なわけである。黒守の存在意義=ラスボス、になるのかどうかはまだ分からないけど、結局、黒守も何かの存在意義があって書かれてるキャラクターにすぎないわけだから、あのセリフはそういうことを言ったんじゃないかなあ、と。

 ……こんな感じでメタ視点で見てみると、いろんな疑問が綺麗に氷解していく気がするのだが、当然問題点もある。「《預言》=いつ天」としてみると、作中の「《預言》から外れる」というのが不可能になってしまうんだよなあ……。だっていくら外れようとしたって、結局は鏡先生が書いてる作品のキャラクターにすぎないわけだから……。一応、「《預言》から外れた」と「《預言》で設定してある」から、「作中では《預言》から外れたように見える」、という風に解釈してはいるんだが……ちょっとこじつけっぽいよなあ……。あと、「破滅=完結」として見てしまうと、もうこれは100%世界は破滅するしかないわけで……。それで作品として成り立つのか? という問題点も出てきてしまう……。うぅ~む……。

 でもまあ、ここらへんの疑問は置いといて、「《預言》=いつ天」「完結=破滅」だとするなら、この作品はすごい面白い取り組みをしたなあ、と思う。「作品が完結することを知ってしまった登場人物が、作品を完結させまいと全力で戦う話」になるわけでしょ? 100%、負けしか無い、作者との勝負に挑もうとする話、ということになるわけでしょ……。うーん、面白いなあ……。


<<いつか天魔の黒ウサギ11巻感想(1)

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なるほど、これは面白い!
-|2013.01.19/17:42

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